「毎月いくらで、こういうサービスを提供します」。サブスクでも、サービス内容や提供実体、価格に見合う内容か、高額・投資・副業・健康系の要素がないか等は、一般に確認されます。そのうえで特に確認されやすいのが、会員が「継続課金であること」を理解して申し込めるか、そして解約条件を事前に確認できるかという点です。

継続課金は、会員が解約しない限りお金が動き続ける仕組みです。だからこそ、「気づかないうちに課金が続く」「解約したいのにできない」と感じさせない設計が重要になります。解約条件を分かりやすく示し、実際に手続きできる導線を用意することは、審査時の説明をしやすくするだけでなく、会員との信頼を守るための設計でもあります。

01 サブスクで、特に見られる4つの点

共通の要点に加えて、この業種では次の4つが集中的に確認されます。ひとつずつ、自社の申込画面を開きながら確認してみてください。

02 サブスク審査の早見表

この業種でつまずきやすい点を、審査で確認されやすい点と運用上も整えておきたい点に分けて一覧にしました。申込前のセルフチェックにどうぞ。

表1|審査で確認されやすい点

見られる点つまずきやすい例備え
自動更新の明示更新のことが小さく・後ろにしか書いていない申込確定の直前に明記
解約導線解約方法が分かりにくい/受付条件が見えない解約方法・期限・受付窓口を申込前と規約に明記
トライアル移行「無料」だけを強調し、本課金の説明が弱い移行日・金額・解約期限を並記
金額・請求日次回請求日や請求周期が分からない請求日または算定方法を表示
返金対応規定が無い/運用と食い違う返金・日割りの方針を明文化
最終確認画面規約にはあるが、申込直前に条件が見えない金額・周期・自動更新・解約条件を表示
最低利用期間・違約金「いつでも解約可」と書きつつ、実は条件がある最低期間・解約期限・違約金・日割りの有無を明記

表2|運用上も整えておきたい点

整えておきたい点起きやすいトラブル備え
契約後の通知申込後に条件が残らない完了メールにプラン・金額・次回請求日・解約方法を記載
明細表記カード明細の名称を見て会員が心当たりなしと感じる明細に出る名称を案内し、問い合わせ先も表示
契約状況の表示会員が次回請求日や解約状態を確認できないマイページやメールで契約状況を確認できるようにする
解約後の表示最終請求日・利用終了日が分からない解約受付日・利用終了日・最終請求の有無を通知する

※ 表2は、初回審査で必ず見られるとは限りませんが、苦情・チャージバック(支払い取消し・異議申立て)予防のために整えておきたい項目です。実際に求められる内容は、決済代行会社・カードブランド・サービス内容によって異なります。

03 申込〜解約フローの、整え方

会員が迷わない導線をつくることが、そのまま審査の通りやすさになります。この順で見直してみてください。

  1. 申込確定の直前に、継続条件をまとめて提示する「月額◯◯円・毎月◯日更新・次回請求日・自動更新の有無・解約期限・解約方法」を一か所に。条件がある場合は、「いつでも解約可」だけで済ませない。

  2. トライアルがあるなら、移行の条件を並べて書く無料期間・移行日・移行後の金額・課金を止める期限・解約方法。初回割引やお試し価格の場合も同じように書く。

  3. 解約を、会員が迷わず手続きできる導線にする可能であればマイページで完結。電話・メール受付の場合は、受付時間・連絡先・解約期限・処理完了のタイミングを明記する。

  4. 契約状況を、会員が確認できるようにする次回請求日・プラン・金額・解約期限・解約済みかどうかを、マイページや申込完了メールで確認できるように。

  5. 返金・日割りの方針を決め、運用と一致させる書いてある通りに対応できる内容にしておく。

サブスクで、やりがちなNG

解約を平日昼間の電話受付のみにする/電話がつながりにくい/解約ボタンを分かりにくい場所に置く/申込直前に自動更新の説明がない/「無料」「お試し」だけを大きく見せて本課金の説明を小さくする/「いつでも解約可」と書きながら、実際には解約期限・最低利用期間・解約料・日割りなし等の条件がある/解約後の最終請求や利用終了日が分からない——いずれも、良かれと思った運用でも審査でも会員対応でもリスクになりやすい設計です。引き止めたい気持ちは分かりますが、やめやすさこそが、また戻ってきてもらえる関係の入口です。

04 申込の直前と、その後に残すもの

条件は、サービスページや規約に書くだけでは足りません。会員が「もう一度確認できる」場所を、申込の前後につくります。

最終確認画面で、条件をもう一度見せる。申込を確定する直前に、月額料金・請求サイクル・次回請求日または請求日の算定方法・自動更新の有無・無料期間後の金額・解約方法・解約期限を、一か所にまとめて表示します。特に「無料トライアル」「初月割引」「お試し価格」から本課金に移る場合は、いつから・いくら請求され・いつまでに解約すれば課金されないのかを、申込前に読める状態にしておきましょう。

申込後にも、条件が残るようにする。申込完了メールに、プラン名・金額・課金サイクル・次回請求日・解約方法・問い合わせ先を記載しておくと、後から「聞いていない」「解約できない」と言われたときにも確認しやすくなります。これらは初回審査で必ず見られるとは限りませんが、苦情・チャージバック予防のために整えておきたい項目です。

05 他の業種のガイドへ

自社に近いものが他にあれば、あわせてご覧ください。共通の要点・早見表は本編にまとまっています。

この記事の、いちばん奥
審査対策とは、「会員に、誠実に説明する」ことに他ならない。

解約方法を分かりやすく書く。料金を隠さない。約束したとおりに提供する。——これらは審査を通すためのテクニックである前に、会員との信頼を設計する行為そのものです。審査に通る準備を整えることは、そのまま、続く関係の土台を整えることになります。会員を管理する時代は終わりました。これからは、人との関係を設計する時代です。

審査の準備から、ご相談ください

カード決済・継続課金の導入、審査に向けたサイト・規約・申込フローの整え方まで。「どの決済を選べばいいか」「うちの業種は通るのか」——そんな段階から、専門スタッフが無料でご相談に応じます。

岸本 健志
会員ビジネスLab 主任研究員 / ハートランドITイノベーション代表

1997年よりインターネット業界に従事。2007年の創業以来、EC、メディア、SaaS、コミュニティサイトなど数多くの会員ビジネスの立ち上げと成長を支援。決済導入・審査対応の伴走も数多く手がけてきました。

「会員を管理する」から「人との関係を設計する」へ。会員ビジネスの未来に、これからも愚直に向き合い続けていきます。

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