Home/ 会員ビジネスLab/ 特別連載
特別連載 ・ SERIES

会員システム設計論

人との関係を、設計する。

岸本 健志
岸本 健志
会員ビジネスLab 主任研究員 / 代表
19
About — この連載について

人との関係を、設計する。

「会員システム設計論」は、機能や製品を紹介する連載ではありません。30年以上、会員システムの設計・開発・運用に携わる中で感じ続けた違和感を、一つひとつ言葉にし、体系化していく試みです。

インターネットは進化しました。クラウドが普及し、スマートフォンが当たり前となり、AIが登場しました。しかし、多くの会員システムは、今も「会員情報を管理する」という発想から大きく変わっていません。

私は、新しい製品を作りたいのではありません。新しい理論を作りたいのでもありません。30年間、現場で感じ続けた違和感を、一つずつ整理していく中で、一つの設計思想にたどり着きました。

それが Relationship Systems Theory です。

この連載は、その理論が生まれるまでの思考と、設計、そして実装までをまとめた記録です。

First Principle ・ 第一原理

Relationship Systems Theory は、たった一つの原理から始まります。

Relationship First 人との関係を、システムの最小単位として設計する。

会員IDでもありません。メールアドレスでもありません。住所でもありません。システムが本当に扱うべきものは、「人との関係(Relationship)」です。会員情報はRelationshipを理解するための一つの情報であり、目的ではありません。この考え方を軸に、会員システムをもう一度設計し直すことが、この連載のテーマです。

Relationship Systems Theory — 七つの原則
Principle 01
Relationship First.

会員を管理するのではなく、人とのRelationshipを育てる。すべての出発点。

Principle 02
Identity is not Relationship.

人を識別することと、人との関係を育てることは違う。

Principle 03
Relationship has State.

Relationshipには状態がある。登録・利用・休眠・再開・終了と、常に変化する。

Principle 04
Relationship is a Cycle.

Relationshipは一方向ではなく循環する。SNSは入口でもあり、出口でもある。

Principle 05
Signals reveal Relationship.

人との関係はSignalとして現れる。ログイン、決済、問い合わせ、参加、共有。

Principle 06
Relationship has Rhythm.

人には、それぞれのRelationshipのリズムがある。その人本来のリズムを理解する。

Principle 07
Relationship grows on Trust.

Relationshipは信頼によって育つ。信頼はセキュリティだけではなく、Passwordless・認証・AI・説明責任・透明性の積み重ねから生まれる。

Structure — 全体構成
Part 1 ・ Problem
問題提起
なぜ今の会員システムでは足りないのか。
現在の会員システムが抱える課題を考え、「管理」という考え方への違和感を整理します。
期限切れの会員証メールは届いたメールの健康管理使い放題の経済学会員マスターは住所録ではない
Part 2 ・ Theory
Relationship Systems Theory
なぜ、そう設計するのか。
Relationshipをシステムの最小単位として考える、新しい設計理論を体系化します。
Relationship FirstIdentityRelationship StateRelationship CycleRelationship SignalRelationship RhythmRelationship Trust七つの原則
Part 3 ・ Architecture
理論を、システムへ。
どう設計するのか。
Relationship Systems Theory を、実際のシステム設計へ落とし込みます。
Relationship ArchitectureIdentity ArchitectureMembership ArchitectureAI Native MembershipRelationship Platform
Part 4 ・ Implementation
理論を、現場へ。
理論が現場で生む価値。
最後は製品紹介ではなく、理論が実際の現場でどのように実装されるのかを紹介します。
PayAI NEXT業界ソリューションAI活用導入事例Relationship Firstという結論
Relationship Systems TheoryRelationship First をはじめ、本連載で用いる Relationship 関連の概念は、いずれも筆者(岸本健志)が現場での実務・考察をもとに提唱する独自の考え方・造語です。既存の製品名や標準規格ではありません。AI時代における人とのRelationshipを中心に会員システムを再設計するための考え方として、本連載を通じて順次解説していきます。
— この連載が目指すもの

30年の違和感を、一つの設計思想へ。

私は、30年以上にわたり、会員システムの現場で数多くの課題と向き合ってきました。その中で感じ続けた違和感を、一つの設計思想として整理したものが Relationship Systems Theory です。

Relationship Systems Theory は、人との関係を設計するための基本原則です。その思想を軸に、時代ごとの技術や社会の変化に応じて、実践へと落とし込んでいくことを目指しています。

この連載が、会員システムを考える新しい視点となり、これからの実践につながるきっかけになれば幸いです。

会員システム設計論 ― 会員を管理する時代から、人とのRelationshipを設計する時代へ。連載の全体像を示す概念図
会員を「管理」する時代は終わりました。これからは、「人」との関係を設計する。 ― 連載全体の概念図

会員を管理する時代から、人とのRelationshipを設計する時代へ。
この連載が、AI時代の会員システムを考える新しい出発点となれば幸いです。

連載一覧

EPISODES — 順次公開
序文

Relationship First.

私たちは、会員を管理するためのシステムを設計しているのではありません。人との関係を育てるためのシステムを設計しています。——連載全体を貫く設計思想の宣言(Manifesto)。

ManifestoRelationship First設計思想
宣言 会員を管理する時代は終わった。人との関係を、設計する。
公開中
第1部 ・ 問題提起 — なぜ今の会員システムでは足りないのか
01

一人が3〜4個のメールアドレスを持つ時代。

それでも会員システムは、「一人一メールアドレス」のままでいいのだろうか。

メールアドレスはこれからもID 一人一メールアドレスは限界 Google・Apple・Microsoft Hide My Email
結論 設計の前提を変えよう。
公開中
02

メールアドレスにも寿命がある。

メールアドレスではなく、「メールアドレスの健康状態」を管理する。

メール不達バウンスレピュテーション 配配メールMyASPSendGridAmazon SES
結論 管理するのはメールアドレスではなく、メールアドレスの健康状態。
公開中
03

メールアドレス・ヘルスチェック。

世界のメール基盤から学ぶ、会員システム設計。

SPF・DKIM・DMARCレピュテーションIdentity vs Trust スパムトラップActive / Bounce / Blocked
結論 認証ではなく、信頼を管理する。
公開中
04

認証されても、信頼されるとは限らない。

Googleは何を見ているのか。——IdentityからTrustへ。

SPF・DKIM・DMARCPostmaster Toolsレピュテーション BECAmazon SESIdentity vs Trust
結論 認証と信頼は、違う。
公開中
05

メールは届いた。では、その人とは今もつながっていますか。

システムは正しい。でも利用者体験は失敗している。

複数のGmail転送設定入力ミスログRelationship Score
結論 管理すべきは、メールアドレスではない。人との関係である。
公開中
第2部 ・ Relationship Systems Theory — 人との関係を、システムの最小単位として考える
06

Relationship First。

会員を管理するのではなく、人との関係を育てる。Relationship Firstは、Relationship Systems Theory の出発点であり、PayAI NEXT の設計思想。

Relationship First最小単位設計思想Relationship OS
テーマ 会員を管理するのではなく、人との関係を育てる。
公開中
07

Identity。

人を識別することと、人との関係を育てることは違う。メールアドレス・電話番号・SNSアカウント・社員番号——それらはIdentityであり、Relationshipではない。

Identity識別Relationship中心の設計
テーマ 識別することと、関係を育てることは違う。
執筆中
08

Relationship State。

Relationshipには状態がある。興味を持った・登録した・利用した・休眠した・再開した・終了した——会員マスターではなく、関係の状態を管理する。

Relationship State状態ライフサイクル
テーマ Relationshipには、状態がある。
執筆中
09

Relationship Cycle。

Relationshipは、一方向ではなく循環する。SNSで知り、検索で見つけ、会員になり、利用し、共有し、紹介する。SNSは入口でもあり、出口でもある。

Relationship Cycle循環SNS紹介
テーマ Relationshipは、循環する。
予定
10

Relationship Signal。

人との関係は、Signalとして現れる。ログイン・決済・問い合わせ・イベント参加・SNS共有・メール開封——単なるログではなく、関係が変化したSignal。

Relationship Signal解約予兆満足度ロイヤルティ
テーマ 人との関係は、Signalとして現れる。
予定
11

Relationship Rhythm。

人には、それぞれのRelationshipのリズムがある。毎日・月に一度・年に一度・半年ごと——すべて正常。その人本来のRhythmを理解する。

Relationship Rhythmリズムタイミング
テーマ 人には、それぞれのリズムがある。
予定
12

Relationship Trust。

Relationshipは信頼によって育つ。信頼はセキュリティだけではない。Passwordless・認証・AI・説明責任・透明性——安心して利用できることの積み重ね。

Relationship Trust信頼Passwordless透明性
テーマ Relationshipは、信頼によって育つ。
予定
13

Relationship Systems Theory。

七つの原則。Relationship First / Identity / State / Cycle / Signal / Rhythm / Trust——第6回から第12回を束ね、人との関係を育てる新しいシステム設計論として体系化する。

Relationship Systems Theory七つの原則設計論
テーマ 人との関係を育てる、七つの原則。
予定
第3部 ・ Relationship Architecture — 理論を、システムへ
14

Relationship Architecture。

Relationship Systems Theory を、実際のシステム設計へ落とし込む。理論を、システムへ。

Relationship Architectureシステム設計
テーマ 理論を、システムへ。
予定
15

Identity Architecture。

人を識別する仕組みを、Relationshipの視点から設計する。

Identity Architecture認証本人確認
テーマ Identityを、Relationshipの視点から設計する。
予定
16

Membership Architecture。

会員システムそのものを、Relationshipを中心に設計し直す。

Membership Architecture会員設計
テーマ 会員システムを、Relationshipを中心に。
予定
17

AI Native Membership。

AIを前提とした、これからの会員システムの形。

AI NativeAI会員システム
テーマ AIを前提に、会員システムを設計し直す。
予定
第4部 ・ Implementation — 理論を、現場へ
18

PayAI NEXT。

Relationship Architecture を実装した会員ビジネスプラットフォーム。理論を、実際のプラットフォームと業界ソリューションへ。

PayAI NEXTプラットフォーム実装
テーマ Relationship Architecture を、実装する。
予定
19

Relationship First。

会員を管理する時代から、人とのRelationshipを設計する時代へ。30年間、会員システムを設計してきた結論。

Relationship First結論設計思想
結論 会員を管理する時代は終わった。人との関係を、設計する。
予定
この連載が問いつづけること

会員を管理するのではない。
「人」との関係を設計する。

会員システムの「前提」を、
一緒に見直しませんか。

重複登録・名寄せ・メール不達・LTV分析まで、
専門スタッフが無料でご相談に応じます。

お電話でのご相談 / 平日 10:00 〜 19:00 03-6441-0748