ペットの店をはじめる方から、「ペット用品やフードならすぐカード決済を使えると思っていたのに、審査で止まった」というご相談をよくいただきます。ペット関連は、取り扱うものによって、審査の見られ方が大きく分かれる分野です。

分かれ目は、ひとつ。生体(生きている動物)そのものを扱うかどうかです。首輪やフード、トリミングやペットホテルなどの用品・サービスは、内容の確認を前提に受付できる余地があります。一方で、犬・猫・小動物・鳥類・爬虫類などの生体販売・予約金・手付金・譲渡対価は、カード会社・決済会社の審査上、原則として取扱不可または事前審査となる傾向があります。

なぜそうなのか。背景には、動物の福祉や、希少種・外来生物の規制、そして「届かない・思っていたのと違う」といったトラブルの起きやすさがあります。このページでは、まず判定区分(A〜D)で目安を示し、早見表と根拠を整理します。

01 判定区分の見方(A〜D)

早見表では、取扱の目安を次の4区分で示します。あくまで審査前の目安であり、最終的な可否はカード会社・決済会社の判断によります。

A 受付可能

通常の加盟店審査へ進める可能性が高いもの。

B 条件確認

許認可・広告表現・利用規約・返金規定等の確認が必要なもの。

C 事前審査

決済会社・カード会社への事前確認が必要なもの。

D 取扱不可

原則としてカード決済では取り扱わない方がよいもの。

生体・希少種・標本は、リスクが高い

特に、生体そのものの販売、予約金・手付金・譲渡対価、希少種、輸入動物、標本・剥製、特定外来生物、動物オークションは審査上リスクが高く、原則として取扱不可または事前審査となります。決済会社によっては、取扱不可商材のとり扱いが判明した場合に取引停止や制裁金負担の可能性があると案内している例もあります。

02 ペット・生き物関連の取扱区分(早見表)

カテゴリごとの取扱目安です。自社の扱う商材・サービスに近いものから、判定と表示コメントをご確認ください。

カテゴリ具体例判定表示コメント
ペット用品首輪、リード、ケージ、トイレ用品、おもちゃ、服、ブラシA生体を含まない通常物販として受付可能です。
一般的なペットフードドッグフード、キャットフード、鳥・魚の餌、加工済みフードA B一般的な餌・フードは受付可能です。製造・輸入・販売内容を確認する場合があります。
ペット用サプリ・ケア用品サプリ、シャンプー、消臭剤、皮膚ケア、涙やけケア用品B効能効果の表示により、動物用医薬品等に該当しないか確認します。
トリミングカット、シャンプー、爪切り、グルーミングB動物を預かる場合、動物取扱業登録やキャンセル規定を確認します。
ペットホテル・預かり宿泊、一時預かり、日中預かりB保管業に該当する可能性があるため、登録番号・利用規約・事故時対応を確認します。
ペットシッター訪問世話、散歩代行、給餌代行B飼養施設がない場合でも規制対象となる場合があるため確認します。
ドッグトレーニングしつけ教室、出張訓練、預かり訓練B訓練業に該当する場合があるため、登録内容を確認します。
動物病院診療費、検査費、予防接種、手術費、予約金B C医療系サービスとして、診療内容、薬の取扱い、予約金・返金条件を確認します。
ペット葬儀・火葬火葬、葬儀、納骨、メモリアル用品B生体販売ではないため受付余地がありますが、役務内容とキャンセル規定を確認します。
ペット写真・記念品ペット撮影、アルバム、オーダーグッズA B生体販売を伴わなければ受付可能です。
生き餌コオロギ、ミルワーム、赤虫、生きた小魚C餌であっても生物に該当する可能性があるため、事前審査が必要です。
観賞魚金魚、メダカ、熱帯魚、海水魚C生物に該当するため、決済会社・カード会社への事前確認が必要です。
昆虫カブトムシ、クワガタ、鈴虫、幼虫、卵C生物に該当するため、事前確認が必要です。
動物カフェ・ふれあい施設猫カフェ、ふくろうカフェ、爬虫類カフェ、移動動物園C展示・ふれあい提供に該当する可能性があるため、登録内容と動物種を確認します。
乗馬・動物体験乗馬体験、ポニー体験、動物ふれあいイベントC動物を使用する役務のため、登録・安全管理・事故時対応を確認します。
ペットレンタル撮影用動物、イベント用動物、繁殖用貸出C D貸出業に該当し、動物福祉・契約内容・動物種により不可となる場合があります。
里親・譲渡会保護犬・保護猫の譲渡費、ワクチン代、医療費精算C生体の対価に見える場合があるため、名目・使途・返金条件を確認します。
保護団体の寄付活動支援金、シェルター支援、寄付金C寄付の主体、使途、対価性の有無、返金不可表示を確認します。
ペット保険保険料、保険申込、保険代理店による募集C D保険業・保険募集に該当するため、登録・代理店契約の確認が必要です。
犬・猫の生体販売ペットショップ、ブリーダー販売、子犬・子猫販売D生体販売代金、予約金、手付金は原則取扱不可です。
小動物の生体販売うさぎ、ハムスター、フェレット、モルモット等D生体販売に該当するため、原則取扱不可です。
鳥類の生体販売インコ、オウム、文鳥、猛禽類 等D生体販売に該当し、希少種・輸入規制の確認も必要です。
爬虫類の生体販売ヘビ、トカゲ、カメ、ヤモリ 等D生体販売に該当し、特定動物・外来生物・希少種リスクがあります。
生体の予約金・手付金子犬・子猫の内金、ブリーダー予約金D生体販売の一部代金とみなされるため、原則取扱不可です。
希少動物・輸入動物希少爬虫類、猛禽類、輸入鳥類、希少魚Dワシントン条約、種の保存法、輸入規制等の確認が必要で、原則取扱不可です。
特定外来生物アライグマ、カミツキガメ、ガー類など規制対象種D飼養・保管・運搬等が原則禁止されるため取扱不可です。
危険動物・特定動物ワニ、毒蛇、大型猛獣 などD法令・安全面のリスクが高いため取扱不可です。
標本・剥製昆虫標本、動物剥製、骨格標本、牙、爪、希少種由来品D決済会社で不可例があり、希少種規制にも該当し得ます。
動物オークション・CtoC個人間の生体売買、競り、フリマ型の動物取引D店子管理、生体販売、法令確認の観点から取扱不可にすべきです。

※ 本表は加盟店審査前の目安です。同じカテゴリでも、扱う動物種・販売方法・許認可・広告表示・返金条件により判定は変わります。判定に複数区分があるものは、内容によっていずれかに振れることを示しています。

03 サイトに載せる、説明文案

サイトや利用規約にあらかじめ掲げておくと、会員とのすれ違いも、審査での確認も、ぐっと減ります。そのまま使える文案を用意しました。

ペット・生き物関連の決済について

当サービスでは、ペット用品、ペットフード、トリミング、ペットホテル、ペットシッター、動物病院、ペット葬儀などの決済について、内容確認のうえ受付できる場合があります。

一方で、犬・猫・小動物・鳥類・爬虫類などの生体そのものの販売代金、予約金、手付金、譲渡対価は、カード会社・決済会社の審査上、原則としてお取り扱いできません。

また、希少動物、輸入動物、特定外来生物、ワシントン条約・種の保存法の対象となる動植物、標本・剥製、動物の身体の一部を含む商材、動物オークション、CtoC型の生体取引についても、原則としてお取り扱いできません。

本表は、加盟店審査前の目安です。最終的な取扱可否は、カード会社、決済会社、国際ブランド、関係法令、取扱内容、販売方法により異なります。

04 なぜこう見られるのか(根拠の整理)

判定の背景には、カード会社・決済会社の見方と、関係法令があります。いずれも公開情報をもとにした一般的な整理です。

カード会社・国際ブランド側の見方

カード会社・アクワイアラの公開情報では、「ペット販売は可/不可」と細かく列挙されていない場合があります。実務上は、法令違反商材、国際ブランドルール違反、公序良俗違反、権利侵害、換金性、特商法リスク、苦情・返金リスクを見て判断されると考えられます。国内の一部カード会社は、法令・加盟店規約・国際ブランドルールにより禁止または制限される商材があるとし、ワシントン条約その他関連法令に違反する商材を禁止例に含めています。また、カードブランドやアクワイアラは、加盟店が決済を受け付ける前に、基準に沿ったコンプライアンスチェックを行うと説明しています。

決済会社側の見方

決済代行会社・決済サービス側では、ペット・生き物に関する記載がより具体的です。一部の決済サービスは、クレジットカード決済で「生物・ペット販売など」を取扱不可とし、標本・剥製も含む一方で、餌のみであれば可としている例があります。ネットショップ・モバイルオーダーのサービスでも、「動物・昆虫を含む生物」「生きた動物」「保護された動物・種」を取扱禁止商品に挙げている例があります。

また、ペットサービスの前払い・回数券・月謝にも注意が必要です。決済サービスによっては、サービス提供完了前の決済(前払い)を禁止し、複数回にわたる継続サービスは提供完了ごとに都度決済するよう案内している場合があります。トリミングの回数券やペットホテルの長期前払いなどを考えている場合は、利用する決済の規約を先に確認しておくと安心です。

関係法令の見方

動物愛護管理法では、営利目的で動物の販売・保管・貸出し・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養を行う場合、第一種動物取扱業の登録が必要です(対象は実験動物・産業動物を除く哺乳類・鳥類・爬虫類)。ペットシッターや出張訓練のように、動物の所有や飼養施設がない場合も規制対象になるとされています。さらに、哺乳類・鳥類・爬虫類を販売する場合は、購入者に対して事業所での現物確認と対面説明が必要とされ、インターネット上のみで売買契約を成立させることはできないとされています。

希少種については、種の保存法により、国内希少野生動植物種・国際希少野生動植物種の取引が原則禁止され、販売・頒布目的の陳列や広告も規制対象です。規制対象には、生きている個体だけでなく、死体・剥製・標本・卵・器官・加工品も含まれます。特定外来生物については、飼育・栽培・保管・運搬が原則禁止されています。

ペットフードについては、ペットフード安全法の遵守が求められます。また、ペットフードやシャンプー等の動物用製品であっても、含有成分・効能効果に関する表示・形状等により動物用医薬品等に該当し、医薬品医療機器等法の規制を受ける場合があります。輸入動物についても、犬・猫の輸入検疫や、一定の動物に係る動物の輸入届出制度など、所定の手続が必要となります。

05 他の業種のガイドへ

自社に近いものが他にあれば、あわせてご覧ください。共通の要点・早見表は本編にまとまっています。

この記事の、いちばん奥
審査対策とは、「会員に、誠実に説明する」ことに他ならない。

解約方法を分かりやすく書く。料金を隠さない。約束したとおりに提供する。——これらは審査を通すためのテクニックである前に、会員との信頼を設計する行為そのものです。審査に通る準備を整えることは、そのまま、続く関係の土台を整えることになります。会員を管理する時代は終わりました。これからは、人との関係を設計する時代です。

審査の準備から、ご相談ください

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岸本 健志
会員ビジネスLab 主任研究員 / ハートランドITイノベーション代表

1997年よりインターネット業界に従事。2007年の創業以来、EC、メディア、SaaS、コミュニティサイトなど数多くの会員ビジネスの立ち上げと成長を支援。決済導入・審査対応の伴走も数多く手がけてきました。

「会員を管理する」から「人との関係を設計する」へ。会員ビジネスの未来に、これからも愚直に向き合い続けていきます。

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